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チーム運営

第2章 チーム運営について考える(「士気」編)

「士気」を上げることは、スポーツではとても重要です。

とはいえ、大会前、試合直前、ハーフタイム中と「士気」を上げる場面は様々です。

そんなある種「生き物」のような「士気」を皆さんで考えてみましょう。

目次

  1. 大会前の「士気」
  2. 試合直前の「士気」
  3. ハーフタイム中の「士気」

大会前の「士気」

大会前、チームは優勝という一つの目標に向かっていかなければなりません。

しかし、「士気」というものは、誰しも同じように内に秘めているとは限りません。

各々で、楽しむことを目標としている者、絶対勝つと決めている者。

はたまた、2回戦まで勝てればいいやという者や、前に勝ったから勝てるだろう思う者。

この者たちの「士気」を確実に上げるには、各々にメリットを提供する必要が出ますが、一般のチーム内では基本的に不可能です。

こんなとき、皆の「士気」を出来るだけ上げるには、どういったことをすべきでしょうか。

この段階で大事なのは、チーム全体がこれから訪れる試合の一戦一戦で「どういう感情になるか?」

と問うことが大事です。試合を想定したこの問いの答えが、チームの「士気」が推し量れます。

本気で取り組むスポーツほど、この段階で既に「負けられる覚悟」がある者は恐らくあまりいません。

この意図を伝える必要性はさておき、チーム全員に対してこういった感情の裏付けから「士気」をあげていきましょう。

今まで苦手であった部分の修正や、長所の鍛錬を行うことにつながれば、よい結果が生まれるでしょう。

試合直前の「士気」

試合直前、ここでの「士気」は上で書いたように、練習につなげることは出来ません。

時すでに遅し。です。

ではここでの「士気」は何をするためにあるのか。

ここでの「士気」の重要な役割は、「これまでみんなで練習したことをここでしっかり出そう」という最終確認です。

そしてその気持ちが、この試合でどういう展開になっても揺らがないという「約束」になります。

試合時にこれが機能していないチームは、割と簡単に、相手チームの好プレーに飲まれます。

そして、味方のプレーへの不信感や、約束事を守る決意の弱さから、個人プレーに走りがちになります。

また、勝っていても、疲れが見え始めると力を出せなくなり、勝ち切ることが出来なくなります。

ここでの「士気」はこういった展開を見据えた「約束事」のためのものです。

「みんなで練習したことを出そう」という決意にするために必要とされるのです。

皆の勝ちたいという思いを冷静に客観視して、まずは約束事を守るということで一つ一つ着実なプレーを促しましょう。

ハーフタイム中の「士気」

試合の途中、展開が苦しくなったり、相手にのまれそうになった際にハーフタイムを取ります。

ここでの役割もまた、別物の意味が存在します。

試合中は相手が一枚上手で機能しないプレーや、個人のプレーが往々にしてあります。

そんな時、その「機能しないプレー」を一つ一つ排除していく必要があります。

ここでこの「士気」の役割が生まれます。

それは、「機能しないプレー」を「機能しないプレー」だと受け止めることです。

そして、冷静に受け止めたうえで、皆がすぐに切り替え、皆で新たな別の策を考慮していく力が必要となります。

人間性や人格を否定するのではなく、プレー一つ一つに対して、批評を行う事が重要です。

ここで生まれた新たな策を用いて、また相手にぶつかってやろうと鼓舞することで「士気」の向上をうまく図りましょう。